No.82 (絶対主義とスペインの絶対王政)  : 

「資本主義の始まりとはどういうものか?」

近世の絶対王政を支えたのは重商主義という経済体制であった。そこでは市民
階級の成長(ホップ)として、流通で利益を得た特権大商人(まだ商業資本家)が
中心で王と手を組んでいた。次に問屋制により生産をも支配する大商人が出てき
て(ステップ)、さらにマニュファクチュア(工場制手工業)が始まりその経営者とし
て、生産で利益を得る中産市民(産業資本家、ブルジョワ)が本格的な資本家とし
て登場した(ジャンプ)。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
現在、ごく少数の国家を除いたほとんど全ての国が、資本主義経済を中心に成り
立っていることに大きな関心を持って学習に臨んでいる。

思考・判断:
中世的要素と近代的要素の「二重人格」が特徴である近世社会に、現在の世界
でも主流である資本主義経済が芽生えることについて、的確に判断している。

資料活用の技能・表現:
問屋制とマニュファクチュア、商業資本家と産業資本家の違いを理解するために、
それらを図解した資料を有効に使用している。

知識・理解:
重商主義で政府と結んだ特権大商人から、生産にも関わる問屋制の大商人へ。
さらに工場での生産を利潤追求の手段とした、マニュファクチュアの経営者として
の中産市民が、経済の主要な担い手として登場する過程について、基本的な知
識を身につけている。